太陽光売電価格大幅に下落

太陽光売電価格

太陽光買い取り、半額以下へ

ブログで前回前々回と太陽光パネルについて書きましたが、その直後にこんなニュースが…

太陽光買い取り、半額以下へ=20年代半ば目標、国民負担抑制-経産省
https://www.jiji.com/jc/article?k=2018091401128&g=eco

テレビのニュースで報じられたので知ってる方も多いと思いますが、家庭用太陽光発電の買い取り価格が2025年以降は現在の半額以下になることがほぼ確定しました。
前々回のブログで政治リスクについて触れましたが、それが如実にあらわれた形になります。

2025年というと今から7年後になるので、なんだ今は関係ないじゃないかと思われる方もいるかもしれませんが、ものすごく関係します。
家庭用太陽光発電の買い取り価格は10年固定ですから、今契約しても10年後の2028年までは現在の価格ですが、それ以降は半額以下になるわけです。
前々回のブログにおいて仮定で使った6kwのパネルで年間6000kw発電だと、売電価格は10万円から4万6千円まで減ります。
太陽光発電で儲かるぞ、とはちょっと言えない数字ですよね。。

しかも、前回のブログからの繰り返しになりますが、太陽光パネルは元をとったから売ってしまうということができません。
仮に不動産投資だとすれば、利回り5%商品だとして、20年かけて元をとったあと、その不動産そのものを売却することで売却益を得ることができますが(この場合の収益は、利益として元をとった分に、投資商品そのものを売ることで得た利益を加えることができる)、太陽光パネルにはそれがありません。20年かけて元をとったところで支払った分が返ってくるだけであって、利益となるのはそこから先の収益のみです。もっとも、10年後以降の売電価格を考えると、20年で元がとれるかどうかもかなり微妙ですが。
元がとれるとしても利益部分が売電価格11円ですから、正直投資商品としては、かなり魅力が薄いと言わざるを得ません。

太陽光パネルを載せる理由

投資商品として魅力がなくなった太陽光パネルですが、それでも載せる理由はいくつか存在します。

1.自然エネルギーを普及させたい

資源の乏しい日本にとって、石油や石炭、そしてウランに頼らなくていい太陽光発電は魅力的な発電方法です。
日本社会の未来を明るくしたい、もしくは原発ゼロの社会にしたい、と思う方にとっては、太陽光パネルを使うことはわずかですが貢献になると思います。

2.災害に備えたい

今年も北海道でおおきな地震があり、大規模な停電が発生しました。停電時、太陽光パネルは非常用の電源として有用です。
そういった大災害に備えとして、自宅に太陽光パネルを載せておくというのも1つの方法です。

3.自家発電時代に向けて先行投資したい

近未来か遠い未来かはわかりませんが、家庭用蓄電池の容量が大きくなり、かつ値段も現在より大幅に下がったときは、自宅で発電した電気を自宅で消費できるようになります。
自宅で電力をすべて賄えるとすれば、市場とまったく関係なく政府が勝手に決める売電価格に右往左往する必要はなくなります。

4.ZEH住宅を建てたい

ZEH住宅には太陽光パネルは必須です。ZEH住宅を建てたい、ZEH住宅を建てて補助金が欲しい、という場合は太陽光パネルを載せる必要があります。
ただし、ZEH住宅の補助金は100%もらえるものではないですし、年々補助金額が減少しています。

今回の政府方針によって、太陽光パネルは投資商品としての魅力はかなり薄くなりました。これから太陽光パネルを載せる方は、元をとろうとか大儲けしようといった考えではなく、未来に投資をしているという気持ちで太陽光発電と向き合っていただければと思います。そういう心積もりであれば、売電価格に一喜一憂することもないですし。