ホームシアターをつくろう part2

ホームシアター

dolbydigital
ドルビーという名前を聞いたことはありますか?
名前は知らなくても上のようなロゴマークはみたことがある人は多いと思います。
ドルビーとはアメリカにある会社の名前で、正式名称はドルビーラボラトリーズ、音に関する随一の会社であり、映画産業に大きく係わっています。
映画館で流れる映画では、どこかでドルビーマークが出ますし、DVDやブルーレイのパッケージの裏側には、たいていドルビーマークが書いてあります。
 
なぜドルビーに触れたかというと、ドルビーの歴史=映画の歴史=ホームシアターの歴史、みたいなものだからです。
 

5.1chスピーカー

 
5.1ch
 
映画館の音声は、1970年代まで左右のスピーカーにセンタースピーカーを加えた3つが主流でした。そこに1970年代以降、客席の背後から音を出すサラウンドスピーカーが追加されスピーカーが4つとなります。そして1990年代になると、音声がアナログからデジタルに切り替わり、背後にあるサラウンドスピーカーが2つとなり、さらには低音専用のスピーカーであるウーファーが追加され、今でもホームシアターの主流である5.1chへと進化します。これがいわゆるドルビーデジタルです。ドルビーデジタルがDVDで正式に採用されたことで、家庭でも5.1chのサラウンド音声を楽しめるようになったのです。
 
映画館でしか楽しめなかった立体的なオーディオが家庭にやってきたのが1990年代の後半から2000年頃。DVDの販売開始とともに、サラウンド対応のAVアンプやホームシアターセットが販売されるようになりました。ゲーム機でいうとPS2が販売されたときです。当時はDVD再生の専用機が高かったので、PS2でDVDを再生して映画を観た人も多かった。
PS2販売開始で売れたのがマトリックスのDVDだったとう話もあるくらいです。ちなみに当時私が買ったのは、5.1chではなく2chプラスサブウーファーがセットの2.1chでした。さすがにマンションでサラウンドスピーカーを設置するのは難易度が高かった…。
 
今でも「ホームシアタースピーカーセット」として売られている商品は、5.1chで構成されているものが主流です。
フロント右スピーカー、フロント左スピーカー、センタースピーカー、サラウンド右スピーカー、サラウンド左スピーカー、そしてサブウーファーを加えた6つのスピーカーによって、映画を観ながら又はゲームをしながら、立体的な音声を楽しむことが出来ます。
 
 

7.1chスピーカー

 
7.1ch
 
2000年代初頭には5.1chサウンドとして徐々に知名度が上がり始めたホームシアターですが、DVDからブルーレイへとメディアが変わり画質がSDからHDへと進化するのにともなって、オーディオも進化をしていきます。DTS-HDマスターオーディオやドルビーTrueHDといったロスレス圧縮の規格が標準化し、DVDに比べて音がよくなりました。さらに映画によっては、5.1chよりさらにスピーカーの数が増えた7.1ch構成で音声が収録されるようになりました。
 
7.1chの音声を再生するためには、フロント右スピーカー、フロント左スピーカー、センタースピーカー、サラウンド右スピーカー、サラウンド左スピーカー、サブウーファー、そしてサラウンドバック右スピーカー、サラウンドバック左スピーカー、計8つのスピーカーを使用します。…そう、ホームシアターの歴史とは、スピーカーの数が増える歴史でもあるのです。
 
その映画がどんな音声を収録しているかは、たいていのディスクパッケージの裏側に記載されています。
参考資料として、シリーズが進むごとにわかりやすく音声が進化してるスタートレック映画シリーズのパッケージを使います。
 
スタートレック
 
 
スタートレック劇場版3作
 
一作目の劇場版スタートレックは、5.1chドルビーTrueHDの音声。
これが二作目のスタートレック・イントゥ・ダークネスでは、7.1chドルビーTrueHD、スピーカーの数が2つ増えました。
そして三作目のスタートレック・ビヨンドになるとドルビーアトモスなる表記となります。
 
ドルビーアトモス、これが現在において最新のオーディオ規格となります。
 
 

ドルビーアトモス

 
dolbyatmos
 
ドルビーアトモスは今までのチャネルオーディオとは違い、物体が発する音の位置情報を記録する形態であるオブジェクトオーディオ方式の音声情報です。…という説明をしたところでなんじゃそれは、という感じですよね。
 
objectaudio
 
大雑把な説明をしてしまえば、データとして記録されている音の配置が平面的なものから立体的なものに進化しましたよ、ってことと、それに伴って天井にもスピーカーを配置するようになりましたよ、天井にスピーカーがあるため、スピーカーから出る音が立体的な音響となって、今までよりもさらに映画やゲームに没入することができるようになりましたよ、ってことです。
 
ドルビーアトモス説明
 
…ということで、7.1ch時代よりもさらにスピーカーの数は増えていき、表記の仕方も5.1.4chのように天井のスピーカーの数が書かれるようになりました。.4の部分が天井のスピーカー数を指します。
 
ドルビーアトモス対応のホームシアターだとこんな感じ。
 
hometheater
 
 
hometheater2
 
この構成は平面部分のスピーカー配置7.1chに加えて、天井に4つのスピーカーがあるので、7.1.4chとなります。
 
最近の大作映画はたいていドルビーアトモスで音声が収録されていますし、パッケージメディア以外でも例えばNetflixもドルビーアトモスに対応し始めていますので、ドルビーアトモス対応の作品はどんどん増えていくはずです。
 
ちなみに上記写真のホームシアターは弊社事務所二階に常設してあるので、興味のある方がいたら声をかけて貰えましたら体験できます。…少し掃除の時間は待っていただきます。
ボヘミアンラプソディを映画館で観た方には伝わると思うのですが、ライブエイドのシーンを家庭で再現できるのは感動モノですよ。是非、少しでもホームシアターに興味があったら、新築やリフォームの際に検討してみてください。