ZEH住宅のつくりかた3

前回前々回のブログでZEH住宅の中身について説明しましたが、ここではZEH住宅にたいする個人的な感想を書きます。

1.強化外皮基準 UA値 4~7地域:0.6[W/㎡K]相当以下
2.再生可能エネルギーを除き、基準一次エネルギー消費量から20%以上の一次エネルギー消費削減
3.再生可能エネルギーを導入(容量不問)
4.再生可能エネルギーを加えて、基準一次エネルギー消費量から100%以上の一次エネルギー消費量削減

上記がZEH住宅が備えるべき要件ですが、見ての通り、ZEH住宅というものが断熱性能よりは設備的なものに偏っているのがわかります。
一般の人が高性能住宅として思い浮かべるであろう断熱性能は1番だけで、2~4番は設備の話ですからね。というか、ぶっちゃけZEH住宅=太陽光パネルが載っかっている住宅、という認識でも問題ありません。
性能面でギリギリでも設備的にそれほどでもなくても、大容量の太陽光パネルを載せてしまえばなんとかなってしまうので。
政府はZEHビルダー登録制度という枠組みで工務店の仕分けをしたいようですが、太陽光パネルを載せればなんとかなるようなもので分けられても、って感じがします。

さて、なんでこんなにZEH住宅の名前が取り沙汰されているかというと、政府がZEH住宅を2020年には標準住宅に、2030年にはZEH住宅を義務化する、というロードマップを指針として出しているからです。

「今後ZEHを普及させるためには、創エネルギーの制約がある中でもZ EHが達成できるような更なる高断熱・省エネ化のほか、低価格化、消費 者への周知・広報等が不可欠である。これらの要素を踏まえつつ、関係業 界と十分に意見交換を行った上で、ZEHに関する 2020 年目標、2030 年 目標の実現に向け、ロードマップの策定について引き続き上述のZEHロ ードマップ検討委員会にて検討を行う。その際、2020 年に大手ハウスメー 2 カー・工務店等が新設する住宅の過半数がZEHとなることを目指し、施 策を検討する。」

ZEHロードマップ検討委員会とりまとめ(PDF形式) より引用

しかし、義務化ということは、買う側の一般消費者に高額な設備を強制的に購入させるということです。これは必然的に住宅の高額化に繋がり、資金的に余裕のない人は一戸建ての住宅を持てなくなるということと同義です。
自然エネルギーの普及は21世紀の日本にとって大切なテーマだとは思いますが、現時点での太陽光発電は自己発電自己消費というシステムではなく、電力会社への売電による収入がメインとなっていて、このままでは株を買うのと同じく投資のカテゴリーです。
2030年までに蓄電池が安く普及して一般家庭に置いてあるような時代になっていればいいのですが、現時点では電気自動車の普及も含めて、どういう状況であるかは未だ不透明です。
自宅で発電したものを自宅ですべて使えるようになってこその自然エネルギーによる住宅だと思うので、日中に太陽光パネルで発電した電力の余力が災害時のバックアップとしてしか使い道がない現時点では、ZEH住宅を無理に勧める気は個人的にはありません。

もっとも、補助金貰えるなら別ですけど。
国がくれるというものを拒否する理由はないですし。
ちなみに弊社はZEHビルター登録制度による補助金は使っていませんが(2020年に施工棟数の半分をZEH住宅なんて絶対無理だと思ってたので)、地域グリーン化事業というもの使って、ZEH住宅の補助金を申請しています。こちらは中小企業向けで大企業が使えないので、弊社のような小回りのきく会社向きなのです。ちょっと気になるという方はお問い合わせください。

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